昨今、医療業界にもAIをはじめとするテクノロジーの活用が進められるようになってきました。
今後、ますます重要になってくる、テクノロジーの応用ですが、まだまだ他業種と比較すると、薬局においてはそれらの価値はまだまだ発揮しきれていないと思います。
今回は、AIをどのように活用すべきか、薬局薬剤師の本来の役割や、AIなどのテクノロジーでできることを整理しながら考えていきましょう。
AIは何ができるのか?
皆さんはAIに対してどのような印象をお持ちでしょうか?
「AIが人間を超える。。。」
「AIに仕事を奪われる。。。」
このようにお考えの方も多いと思います。実際私も、恥ずかしながら勉強するまでそのように思っていました。。。
先ほどの考えには大きな誤解があり、AIにも、できること・できないこと、得意なこと・不得意なことがある、ということがわかりました。
それを知ることで、AIを活用して、AIが得意なことはAIにやらせ、AIが不得意なことに我々薬局(薬剤師、調剤事務)が注力すればいい、という発想になりました。
●AIが得意なことは何か?
詳細なAIについての話は専門家に譲るとして(むしろそこまで知らなくても良いかもしれませんね。)、ざっくりとまとめると、「膨大なデータ処理」、「規則に沿った作業」、「共通点を見つける」と言われています。
●AIが苦手なことは何か?
苦手なこともざっくりとですが、「学習していないことへの判断」「倫理的な判断」「創造的な作業」と言われています。
●AI活用の考え方
上記を見ると、大まかにAIの特性が見えてきます。
また、それらの特性を押さえた上で、AIを仕事にどのように活かすかについて、わかりやすい図がありましたので、共有したいと思います。

※参考:AI文系人材になる
下記の5つの分類に分けて考えると良いそうです。これは、AIに限らず、テクノロジー活用の際の視点として活用できると思います。
後述しますが、薬局においては、おそらく、T型の活用を目指すべきであると思います。
このように、薬局においてもAIができることもは多くありそうですが、できないことは山のようにありそうです。
その辺りをしっかり棲み分けし、薬剤師が真価を発揮できるようにAIをT型活用するという発想がしっくりきそうです。
薬剤師の本来の役割とは?
次に、調剤薬局での薬剤師の業務を考えていきましょう。
実際調剤業務を見ていると、本当に薬剤師がやるべき仕事か?と考えるとそうではない業務が山のようにあります。
主に書き出すと下記のようなものがあると思います。
①処方箋監査・疑義解釈
②調剤、薬剤監査
③服薬指導
④薬剤管理
⑤窓口(受付・会計)対応
⑥在庫管理
薬剤師の役割は、患者さんに最適な薬物治療を提案・支援することであると考えます。(上記でいくと①〜④となると思います)
調剤薬局におけるAIの活用を考える
AIの特性を把握した上で、薬剤師業務とどのように棲み分けるべきかを調剤薬局の現場視点で考えてみましょう。
先ほど挙げた業務の①〜⑥の中でAIの活用を考えてみると、
AIは、膨大なデータからの正確な判断が得意とお伝えしましたが、そこから考えると、適切な薬の選定や疑義解釈はAIが得意そうですね。また、AIが患者さんの服薬状況をデータ管理し、アラートを出したり、体調から服薬内容の変更を提案してくれたりしそうです。
そのため、①④は活躍してくれそうです。
逆に、服薬指導などは、患者さんそれぞれの、症状、薬に対する知識、過去の服薬治療歴、仕事や家庭環境などの環境因子、年齢・性格と言った個人因子、認知能力、嚥下能力、金銭的な状況、、、、などを読み取り、判断する必要があり、AIにはかなり難しそうな課題です。
そのため、③はAIではく、薬剤師が活躍できる部分であると思います。
また、②⑤⑥に関しては、現在あるロボットやシステムで十分対応できそうです。
このように分けると、過度にAIを遅れたりするのではなく、AI、薬剤師、その他で棲み分けすることが容易にイメージできます。
①処方箋監査・疑義解釈 → AI
②調剤、薬剤監査 →ロボット、システム
③服薬指導 → 薬剤師
④薬剤管理 → システム
⑤窓口(受付・会計)対応 → 自動精算機、キャッシュレス
⑥在庫管理 →システム
まとめ
今回は、調剤薬局におけるAI活用について考察しました。
薬剤師の仕事はどうなる。。。?」と少し怖くなることもありましたが、調べてみると、AIが発達してくれることでより薬剤師の真価が発揮できるようにな理想です。
もっと患者さんに最適な医療提供が出来るようになるための、現場改善をしていくことが楽しみです。
それでは今回は以上です!